縁起
穴太寺の創建は705年、文武天皇の勅願によって、大伴旅人の甥・大伴古麿が開いたとされています。本堂には3つにお厨子があり、真ん中にはお寺のご本尊である薬師如来(絶対秘仏)と向かって左側には札所本尊となる聖観音菩薩立像(33年に一度開帳)が祀られており、どちらも秘仏になっております。この聖観音菩薩立像ですが、そのエピソードは「今昔物語」にも載っています。
962年、丹波国郡司・宇治宮成という人物が、信仰の篤い京の仏師・感世に依頼しました。感世は像を完成させ郡司の元に届けました。その素晴しい出来ばえに大いに喜びそのお礼の品として自身が所有していた名馬を与えます。感世が馬に乗って戻るいくと、郡司は急に馬が惜しくなり、配下の者に命じ、感世を弓で射殺し、馬を奪い返してしてしまします。
その後、様子を見るために京へ使いを送ってみると、死んだはずの感世は生きています。取り戻したはずの馬もそこにいたのです。驚いて感世が彫った観音様に懺悔しようとすると、観音像の胸には矢が刺さって鮮血を流していました。郡司と弓を射た配下の者は自らの行為を深く悔い、仏門へ入ることになりました。
このような説話から、穴太寺の観音像は「身代わり観音」として篤く信仰されました。
本堂に安置されている仏像は横たわっている「釈迦如来涅槃像」。東南アジアには数多く見られますが、日本では木に彫刻されている涅槃像は珍しく、全国に6例しかないという貴重な仏像です。檜材を用いた寄木造りで鎌倉時代に作られたとされており、優しい顔の仏像です。冬になると仏像にお布団がかけられ、自分の病と同じ所を撫でると病気平癒のご利益があるとされるため、参拝者は皆お布団をめくって仏像に触れています。
この寺院の庭園は、江戸中期から末期にかけて作庭された名園で、奥には池もあります。池の周りに石があり塀があり、その後ろに見えてくるのが多宝塔です。1804年に再建された亀岡市唯一の木造であり、丸みを帯びた柔らかい佇まいをしています。
閑静な住宅街の中にあり、落ち着いた雰囲気のお寺です。忙しい日々を送っている方、1日ぐらいはゆっくりしてはいかがでしょうか。
アクセス
住所 〒621-0029 京都府亀岡市曽我部町穴太東辻46交通
- JR亀岡駅下車 京阪京都交通バス穴太寺循環(59, 34系統)、もしくは、京都学園大学行(60系統)、穴太口下車徒歩10分
駐車場 有(私営駐車場) (50台・観光バス可)
拝観料 本堂, 庭園: 団体400円 個人500円
拝観時間 8:00〜17:00納経時間8:00〜17:00
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第二十一番 穴太寺 : 西国三十三所 (saikoku33.gr.jp)
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